これから梅雨にかけて、多汗症の人間にとってはつらい時期になります。正直、僕は夏の暑さよりも梅雨のジメジメ、湿度の方がつらいです。みんなが汗をかく夏はなんとなく誤魔化しもきくのですが、湿度が高いことによる発汗は、やばいひとりだけ汗かいている→滝汗、となるので誤魔化しがきかなく、気が重い季節です。とはいえ、否応なしに梅雨はやってくるので、なにがしかの対策をとっておきたいところです。
頭部・顔面多汗症の王道は内服療法、次に外用療法
僕は基本的には内服療法(プロバンサイン)をおすすめしていますが、副作用や購入の一手間など利用するまでのハードルはそれなりに高めです。そのため次の選択肢は、外用療法の塩化アルミニウムになります。この塩化アルミニウムを配合した市販薬はオドレミンが有名です。効果は僕も実感していますが、頭部顔面多汗症には肌への負担がだけでなく、心理的にも使い続けるには抵抗感があります。
市販のデオドラント剤は抵抗感がない
内服療法や塩化アルミニウムと比較すると、市販のデオドラント剤は選択しやすいといえます。実際、多汗症患者の多くがデオドラント剤を利用している調査結果があります。しかし、とても残念なのが、多汗症患者の実に47.8%が制汗作用のないデオドラント剤を使用しているという実態です。
制汗作用
制汗作用にはおもに2つあります
- 収斂作用(しゅうれんさよう)
- 吸収作用
・収斂作用(しゅうれんさよう)とは、タンパク質を変性させることにより組織や血管を縮めること
・吸収作用とは汗のベタつきなどを抑える働き
この収斂剤として用いられるのが、アルミニウムとミョウバン、そして最近はパラフェノールスルホン酸亜鉛も注目されているようです。「吸収剤」としては、タルクや酸化亜鉛、酸化チタンなどパウダー状のものなどを用いてベタつきを抑えます。
デオドラント剤は、本来臭いを抑えるものでしたが、メーカーの開発や商品需要もあって、この制汗剤を配合したデオドラント剤というのも多く出てきました。そんなわけで消費者は、制汗剤とデオドラント剤の違いはあまり意識していません。そのため前述のように制汗作用のないデオドラント剤で汗をおさえようとする多汗症患者を生んでいるというのが現状のようです。
基本的に制汗剤が汗を抑えるもの、デオドラント剤は臭いを抑えるものと考えてよさそうです。なので、臭いよりも発汗をなんとかしたいなら制汗剤を選択すべきです。
皮膚への刺激度
制汗剤を使用するにあたり、肌への影響度が一番気になるところです。とくに僕のように頭部顔面が部位となる方は、より注意が必要です。個人差はありますが、肌への刺激度とその効果については比例関係にあります。
塩化アルミニウム>ミョウバン or パラフェノールスルホン酸亜鉛
汗を抑える作用が強ければ、皮膚への刺激も大きいというのは当然といえば当然ですね。
主な制汗剤
代表的なオドレミンについては、こちらの記事「精神性多汗症のビジネスマンに役立つお薬5選!」も参照ください。
ミョウバンとパラフェノールスルホン酸亜鉛を使用した代表的な制汗剤を紹介します。ミョウバンタイプのものは僕も試したことがありますが、現在は制汗剤から内服療法へシフトしています。
ミョウバンを配合した塗るタイプの制汗剤です。額に塗っても塩化アルミニウム水溶液に比べて、とくにヒリヒリするようなことはありませんでした。
デオナチュレ男クリスタルストーン 60G
こちらはスプレータイプのものです。顔に塗布するときに、眼に入らないようにするのに神経をつかいました。途中からは、一旦ガーゼタオルに吹き付けたから額や耳裏、首周りなどに塗っていました。
ミネラルデオストーン ミョウバンクリスタルスプレー 125mL
いま楽天で人気No.1なのがこのミョウバンスプレーのようです。おもに臭い対策のようですが、制汗と合わせて使うには良さそうです。(僕は未使用)
ミョウバンスプレー EX 1本 ドクターデオドラント
さいごにジェルタイプのものを紹介します。京都の舞妓さんも利用しているようなので、実績は確かなようです。(僕は未使用)
いかがでしょうか。
多汗症の方には、すぐに薬局で手にはいるデオドラント剤は、とても心強いアイテムになります。もしあなたが臭いよりも制汗作用を求めるならしっかりと成分表を見るようにしましょう。とくに市場は発汗をおさえるよりも臭いケアの方に主眼を置いています。発売される製品もその傾向が強いようです。流行や店頭のポップに流されて安易に購入することのないよう、しっかりと汗をおさえる目的で選ぶようにしましょう。