汗のニュース

日本人の7人に1人は多汗症、治療法は今後に期待。

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日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン2015 年改訂版」によると、頭部顔面多汗症の患者さんの有病率は、人口の約4.7%だそうです。これは平成21年度の全国疫学調査なので、当時の人口から計算すると約600万人になります。

原発性局所多汗症の有病率と発症年齢
部位|有病率|発症年齢
–|–|–|
手掌|5.33%|13.8 歳
足底|2.79%|15.9 歳
腋窩|5.75%|19.5 歳
頭部|4.7%|21.2 歳

僕が頭部顔面多汗症を発症したのは、社会人3年目頃だったので24,5歳です。少し遅い発症ですが、おおむね傾向は合ってそうです。つまり頭部多汗症の方は、大学生から社会人になるちょうど就活生が悩んでいるのではないかと想像しています。

そんな想いもあり、多汗症で悩む新社会人に贈るエールという記事を書いてみました。

多汗症で悩む新社会人に贈るエール この春から晴れて社会人になる方へ まずは新社会人、おめでとうございます。期待や不安がいっぱいの時だと思いますが、おそらく多汗症の人...

多汗症は社会問題!?

上記の調査は平成21年のものなので、現在はもっと増えていると想像できます。なぜなら、頭部顔面多汗症は以下の臨床症状に記載があるとおり、

頭部・顔面多汗症(Craniofacial hyperhidrosis)

男性に多くみられ、長期間(2 年から20 年以上)持続し,数年にわたって毎年増悪することがある。耳介上部から側頭部、後頭部および前額部からの大量の発汗をきたす原発性局所多汗症である。熱い食べ物や飲み物の摂取後あるいは物理的ないし情動的ストレスによって、頭髪は洗髪後,前額部は洗顔後のごとく汗がしたたり落ちることがある。このような多汗は通常数分間で収まるが、数時間から一日中続くこともある。このため対人関係に支障をきたし、引きこもり状態になることがある。

引用元:原発性局所多汗症診療ガイドライン2015 年改訂版

悲しいことに、”数年にわたって毎年増悪することがある”とされています。これは実体験からも正しい見解といえます。

また昨年の週刊朝日によると多汗症で悩んでいる人は7人に1人だそうです。

さらに、患者さんの医療機関への受診率はなんと6.3%。悩む側も打ち明けることができない、ゆえになかなか症例が明るみにでないのでしょうね。

今まで産業医や健康診断、時にはお坊さんにまで多汗症の相談をしてきましたが、そこでも満足な答えを得ることができなかった理由もなんとなく腑に落ちました。カミングアウトする人が少ないゆえに認知がされていない。この事実を有効活用するには、なぜ自分だけこんな悩んでいるんだろうと、落ち込むことは止めて、みんな同じ悩みを抱えているだ、とまずは前向きに考えることですね。それにしてもこの原発性局所多汗症は、もはや静かな社会問題と呼べそうです。

多汗症治療は一長一短

ガイドラインによると原発性局所多汗症の治療は、以下のようになります。が、患部によって行える治療も違い、またどれも副作用や考慮しないといけないことがあり、現在はいずれも一長一短があるのが現状です。

  1. 塩化アルミニウム
  2. 内服療法
  3. イオントフォレーシス
  4. 心療内科
  5. 外科手術

実は、3のイオントフォレーシスという治療はガイドラインを読んで、初めて知りました。というのも、基本こちらは手汗の方が対象の電気療法なので、僕には適さない治療だったのでこれまで目にしてこなかったようです。

結論、多汗症改善は試行錯誤するしかない

おおむね僕がこれまでアプローチしてきたことは、ガイドラインとも相違ありませんでした。頭部顔面多汗症の場合は、2の内服療法を積極的に試みてよいとも書かれています。

4.内服療法は多汗症に有効か?

推奨文:抗コリン薬(商品名 プロバンサイン),clonidine hydrochloride(商品名 カタプレス),tofisopam(商品名 グランダキシン)は推奨度C1,エビデンスレベルII~IV.ただし,副作用が比較的少ないので,外用療法,イオントフォレーシス,ボトックスが無効あるいは,これらの治療が行えない症例(とくに頭部顔面多汗症)には積極的に試みてよい

引用元:原発性局所多汗症診療ガイドライン2015 年改訂版

同じ症状の方は、ぜひ内服薬については、

精神性多汗症のビジネスマンに役立つお薬5選!精神的な多汗症対策に知っておくと良い薬を5つご紹介します。 汗に関する薬は大きく以下の2つに分けられます。 塗り薬 ...

の記事も参考にしてみてください。

ガイドラインは非常に参考になる内容が多く、じっくり読んでみようと思いますが、冒頭の免責事項が現状の多汗症に関するそれを表しているような気がします。

また特定の患者および特定の状況によっては本ガイドラインから逸脱することも容認され、むしろ逸脱が望ましいことさえある。従って治療を施した医師は、ガイドラインを遵守したというだけでは過失責任を免れることはできないし、本ガイドラインからの逸脱を必ずしも過失と見なすこともできない。

つまり、ガイドラインは正しいとは言えないから、守る守らないに関わらず、お医者さんは患者さんにいろいろと試行錯誤して多汗症改善に取り組んであげてくださいね、ということです。僕たち患者さんもその心意気を汲んで、一緒にトライ&エラーをして進むしかないようです。

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