筆者の想いがあるため無駄に長いです(汗)対策をすぐに知りたい!という方は、以下より各章へ進んでくださいね。
制汗剤と内服療法
– 塩化アルミニウム水溶液(塩アル液) / オドレミン / パースピレックス(ローションタイプ) / 顔用制汗剤 サラフェプラス / プロバンサイン / プロスパス / パブロンSゴールド / 多汗症に効く精神安定剤 デパス、エチラーム / 漢方薬 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
顔面多汗症(顔汗)を病院で治療する
– ボトックス注射(ボツリヌス毒素局注療法) / 胸腔鏡下交感神経節遮断術(ETS) / 神経ブロック / 星状神経節ブロック(せいじょうしんけいせつ-) / イオントフォレーシス療法 / 精神療法(心理療法)
僕は顔の多汗症で悩んでいるいた営業職のサラリーマンです。
同じ多汗症の人なら分かってもらえると思うんですが、顔汗で人前に出る仕事は精神的にも肉体的にもかなり辛いです。これまで商談に入る前に「今日、汗が止まらず、やっちまった感じになったら、仕事を変えよう」と、何度決意したことかわかりません。
ちょっとだけ僕の汗に関する日常のエピソードを聞いてください。
商談の30分前にお客様先の近くのカフェでまず汗を乾かし、お客様先のビルへのほんのわずかな移動の体温上昇に備え、極力涼しいルートを選択し、到着したビルのトイレでもう一度体温を下げる。
個室で顔に使える制汗剤シートで必要以上に顔、首回り、特に額の汗を拭い、仕上げにそのシートを首の後ろに入れてセット完了。これが商談前に一連のルーティン。気分が落ち着いたら、いざ受付へ。そこでもたつくと、これまでの準備が水の泡。そんなことのないよう、お客様の情報をしっかりインプットし、スムーズに受付を終え、いざ商談ルームへ。
これを何年続けていることやら。いい加減、慣れればいいんですが、そうも行きません。このルーティンをやらないで商談にのぞむと、大概よくない結果になるからです。初回訪問に比べ、2度目、3度目の訪問では、多少は抜けるんですが、得てしてそういう時ほど、予期せぬ話が出て慌ててしまう、なんてこともしばしばです。
つまり、私は人より何倍も準備をすることで、汗のハンデを極力減らし、ようやくスタートラインに立てるんです。普通の営業マンからしたら、無駄な労力をかけてるわけです。私ほど営業には向いてない性格はいない、と何度も自己嫌悪になりました。情けないやら、悲しいやら、どうしようもできないやらで。
それでも、とにかく改善をするために、顔汗対策に本気で取り組んだ結果、かなり改善しました。(2018/7/8現在:顔汗について、日常的に悩むことはなくなりました。)
以前は、電車の中やばったり人と出会ったとき、美容室など、ありとあらゆる場所で汗のことで悩んでいたことを考えれば、すごい進歩です。今、汗のことを悩むのは、大勢の人前でプレゼンやスピーチをする時ぐらいじゃないでしょうか。それ自体も以前は情けないと思ってましたが、今は「それって多汗症でなくても汗ってかくよね」ぐらいの気持ちの余裕を持てるようになりました。
今日はそんな私が取り組んできた対策を余すことなく全部お伝えたします。それなりの記事ボリュームになったので、ぜひブックマークをお忘れなく!
多汗症とは?
よく汗っかきと勘違いされますが、多汗症はそれとは全く次元が異なります。汗っかきな人が僕の汗を拭う姿をみて「暑いですよね〜、私も汗っかきなんですよ〜」とか言われるたりなんかすると、「いやいや、あなた言っても汗かいてないじゃん、そんな簡単なもんじゃないですからね!(怒)」と、心の中でイラついている自分がいます。汗の苦しみをなめんなよと。
なんでしょうね、「多汗症を汗っかきなんかと同じにしないでくれ!」という感情(苦笑)変なプライドすら見えますね…。
多汗症と汗っかきの違いって、そもそも区別する意味なんてないんですが、他の顔汗のサイトでも「汗っかきで困ってました」、とか書かれているのを見ると、レベルが違うんだよなーとか、思っちゃうんです。(だからこそ、自分でブログ書くようになったわけですが。)
そう、要はその汗に対して「日常的に悩んでいるかどうか」です。汗っかきは特徴で、多汗症は悩み。書いててスッキリしました。
そして、多汗症は悲しいかな、病気に分類されてしまいます。そのため診断に関する明確なガイドラインがありますので、そちらを参考にしていきましょう。
診断基準
日本皮膚科学会の多汗症診療ガイドライン(PDF)によれば、局所的に過剰な発汗が明らかな原因がないまま6ヶ月以上認められ、以下の6症状の2項目以上あてはまる場合を多汗症と診断するとしています。
②対称性に発汗がみられること
③睡眠中は発汗が止まっていること
④1週間に1回以上多汗のエピソードがあること
⑤家族歴がみられること
⑥それらによって日常生活に支障をきたすこと
ちなみに僕は、①③④⑥の4つが当てはまります。故に、名実ともに多汗症と名乗れるわけです!なんのこっちゃですが。
発症の時期
ガイドラインでは、25歳以下となっていますが、多くの方は思春期(13〜19歳)に発症することが多いようです。ちなみに僕は社会人2,3年目頃なので、25歳以下で症状が出たことになります。でも、ネットで調べる限りは、発症には年齢関係なく起こりえるのではないかと感じてます。
全身の汗と違う、顔汗の主な症状・特徴
上述のガイドラインによれば、その正式名称は「原発性頭部顔面局所多汗症」といいます。長い…。実は「頭部・顔面」は2015年の改訂版で初めて追加されました。それまでは、多汗症の部位には対象として含まれていなかったわけです。それだけ、顔汗についてはまだ研究が浅い分野なんですね。
以下は、ガイドラインからの引用です。
・男性に多くみられ、長期間(2 年から 20 年以上)持続し、数年にわたって毎年増悪することがある
・耳介上部から側頭部,後頭部および前額部からの大量の発汗をきたす原発性局所多汗症である。
・熱い食べ物や飲み物の摂取後あるいは物理的ないし情動的ストレスによって、頭髪は洗髪後、前額部は洗顔後のごとく汗がしたたり落ちることがある。
・このような多汗は通常数分間で収まるが、数時間から一日中続くこともある。
・このため対人関係に支障をきたし、引きこもり状態になることがある。
ザッツライッ!ご名答!よくお分かりで!と言いたいですね。
まさに症状は記載の通りです。どこかのサイトで、”精神性の顔汗はベタベタ汗になる”と、かかれてましたが、それは症状に含まれてないようです。し、僕もその実感はありませんでした。単純に情動的ストレスによって「洗髪後、洗顔後のごとく」汗がしたたり落ちています。
余談ですが、「洗顔後のごとく」という表現は、僕らが「滝汗」と表現するのとほぼ変わらないなーと感じました。むしろ、文字数も少なく、「滝汗」の方がより的確な表現とすら思えますね。
そもそも、なぜ汗をかくのか?
そもそもなぜ汗をかくのか、ご存知でしょうか?なんとなく、という方はぜひこの機会にお読みいただければと思います。
お急ぎの方は、顔汗の完全対策・対処法(記事内リンク)をご覧ください。
①体温調節
汗の最も重要な役割ですね。激しい運動をした時や、高熱などで汗をかいた経験は、誰もがされていると思うので、これは理解しやすいですね。汗を蒸発させることで、熱を逃すというわけです。確かに暑い日の外回り、駆け込んだ電車の中、それ自体はある程度納得はできるんですが、僕はこの汗の量が尋常ない。それに緊張するシーンでの滝汗は、体温調節なんて余計なお世話なんですよね…。頭に血が上って、のぼせている状態って訳でもないのに。汗をかく理由としては納得できますが…。
②老廃物の排出
人間の汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類があります。簡単に言えば、普通の汗はエクリン腺から出され、老廃物は、このアポクリン腺から排出される、という感じです。
アポクリン腺のある場所は、個人差はありますが、毛の生えている部分、腋下、乳輪の周辺、性器の付近、耳の中、背中などです。多汗症の部位が顔や頭部だと、そこにはアポクリン腺がないため基本は無臭の汗になります。僕が汗の臭いを気にしていないのは、そういうわけなんですね。
ちなみに哺乳類は基本、アポクリン腺が発達しているため、性的な個体間関係を取り結ぶいわゆるフェロモンとして機能するようです。
どうして顔にだけ汗をかくのか?
汗の仕組みは上述の通りですが、なんで全身に汗腺はあるのに、僕は顔ばかりに汗をかいてしまうのでしょうか?顔や頭部多汗症に悩む人の共通の疑問ですよね。これ色々調べてみたところ、以下の3点が主な原因と言えそうです。
②内蔵型冷え性
③自律神経、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、更年期障害など
私は、どれも当てはまってしまいますが、いかがでしょうか。
ただ正直なところ、③に関しては原因の分からない症状は全てこれでok的な感じがします。お医者さんに「そうですねー、ストレスかもしれませんね」と言われてしまえば、黄門様の印籠よろしく、「ははぁ〜」とせざるおえない感じになりますもんね。
この原因について思い当たることがあれば、対策も取りやすくなるのでぜひ確認してみてください。
①運動不足
まず「運動不足」の可能性についてです。
前述した通り、発汗のもっとも重要な役割は「体温調節」です。エクリン腺は、全身に平均で約300万個あるといわれています。そして顔と頭には、特に多くの汗腺が集中しています。汗をかく代表的な部位である「ワキ」の汗腺量と比べても、おでこは約2倍、ほほやあごは4倍あるといわれてます。ご存知でしたか?
ですが、300万個すべてのエクリン腺が汗を分泌しているのではなく、実際に活動している汗腺は、全体の半分程度です。さらに運動不足だと、汗を分泌する機会が少ないため、汗腺は閉店ガラガラ〜のお休み状態になっています。心臓から離れている下半身や腕は、特に休眠状態になりやすいみたいです。
つまり、いざ体温調節をする際に、下半身や腕の汗腺は眠っているため、必然的に量、動きの多い顔の汗腺から汗が出てしまうというわけです。これが、顔ばかり汗をかいてしまう原因のようです。
②内蔵型冷え性
冷え性なのに多汗症って一見矛盾してそうですが、結構僕にとっては思い当たることばかりです。
冷え性は、大別すると3つのパターンがあります。
・下半身型冷え性
・内蔵型冷え性
顔の多汗症に関連が深そうなのが、この中でも最も厄介と言われている「内蔵型冷え性」です。
内蔵型冷え性は、自分が「冷えやすい体質」であることに気づきづらいため「隠れ冷え性」とも呼ばれています。以下の症状に思い当たる人は、要注意です。
・朝起きたときお腹、二の腕が冷たい
はい、僕です。(汗)特にクーラーの部屋では、お腹や二の腕は冷え冷えになります。もしかしたら寝起きが悪いは、このせいかもしれません。
自律神経は、常にこの(深部)体温を維持するように交感神経と副交感神経をバランスよく切り替え、血液の流れを制御しています。「血の流れが良い」というは、の深部体温を維持するために欠かせないということです。またそれをコントロールしているのが自律神経であるわけです。
精神的なストレスなどが原因で血流障害が起きてしまうと、(深部)体温は血流によって維持されているので重要な内臓への血流が滞り、結果「内臓が冷えてしまう」ことになります。
内臓の冷えは「基礎代謝が落ちる」ため、ちょっとしたことで風邪を引いたり、なかなか治るまで時間が掛かります。多汗症だけでなく、身体の免疫機能を高めるためにも内蔵型冷え性は改善したいところです。
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これを使い始めてから、お腹が緩くなることが減りました。お酒飲んだ翌日は相変わらずですが(汗)
③自律神経の乱れ、ストレス、更年期障害など
顔の多汗症の原因で一番多くあがると言っても過言ではない「自律神経の乱れ」。これ本当に多いですよね。そしてイマイチ分かったようで分からない原因のNo.1でもあります。
要は、ストレスや緊張を感じると交感神経が働き、汗をかきやすい状態になるわけです。精神性の発汗はいわゆるそういう時なので、イコール自律神経が乱れているってなるわけですが、乱れって言われても、目には見えないですし、実感しづらいです…。
更年期障害の症状の一つである顔や頭のほてりやのぼせによって、急に顔や頭が熱くなり、汗が止まらなくなる場合もあります。この原因も自律神経の乱れとされることが多いため、結局は生活習慣を整えましょう、という結論に至ることになります。
というわけで、後述する対策にはいわゆる自律神経を整える方法も数多く含まれています。
顔汗を止めるには?
さあ、前段の説明が多くなってしまいましたが、どのような原因が顔の多汗症を起こしているのか、理解を深めていただけたでしょうか?というのも、これからあげる対策が、どのような原因に対して有効なのか分かってもらえれば、よりその効果も高まると思うので、ぜひご自身でやれそうなことから始めてみてください。
普段の生活から顔汗を止める対策
まずは、あまりお金も時間もかけずに手軽に始められる対策から紹介していきます。
顔の汗をこまめに拭く
何を当たり前な、と嘆く前にお聞きください。汗をかかないことよりも、まずは汗をかいた時に、しっかりと対処できることがまず最重要です。清潔なハンカチやフェイスタオルを普段から持ち歩きましょう。僕は、厚手のハンカチを常時2枚、夏場はフェイスタオルを必ずカバンに入れています。
効果のある食事をとる
顔汗に効果のある食事って何でしょうか?結論からいうと、大豆や納豆、マグロの赤身などです。これらを普段の食事の中でうまく取り入れるのがと良いです。なぜか?それはいわゆる自律神経を整える食事に他ならないからです。
さて、リラックスを司る副交感神経の働きを高める栄養を取る、とはどういうことなのでしょうか。それをこれから説明します。まず、知っておきたい栄養素である「アミノ酸」の存在からです。
アミノ酸
よく健康番組などでも耳にますね、アミノ酸。僕は汗に関して色々調べるようになって、栄養素についても関心を持つようになりましたが、それまでは全く知識がありませんでした(笑)
人体は、水分が70%、タンパク質が約20%、残りが脂肪などで構成されています。その約20%を占めるタンパク質の主成分が「アミノ酸」なのです。これを知った時、ほぼ人間て水とアミノ酸じゃん!と驚きました。
また身体を構成するアミノ酸は、全部で20種類あります。多いと感じるか、少ないと感じるか、あなたはどちらでしたか?僕は、たったの20種類!?という感想でした。このわずか20種類のアミノ酸が複雑に組み合わさってタンパク質、人体が作られていると考えると、まさに生命の神秘です。
ここから大事なのですが、このアミノ酸は、大きく2種類に分けられます。
非必須アミノ酸・・・体内でほかのアミノ酸から合成できる
ここで重要なのが、必須アミノ酸である「トリプトファン」です。
このトリプトファンは、精神を安定させるために働いている脳内物質である「セロトニン」の元となるからです。このセロトニンが不足すると、いわゆるうつ状態や疲れやすい身体になってしまうわけです。
冒頭で伝えた大豆や納豆、マグロの赤身などにこの「トリプトファン」が多く含まれているので、これらを普段の食事の中でうまく取り入れるのが良い、というわけなんです。
夜ぐっすり、翌朝スッキリな話題の潤睡ハーブ
僕と同じように汗と睡眠に悩んでいる方には、1粒で2度美味しい感があってオススメです。ちなみに僕が一番効果を感じたのは、口内炎ができなくなったことですが(笑)それまではしょっちゅう口内トラブルに悩まされてきたので。
(効果については、個人の感想ですのでご了承ください)
症状を悪化させる食事
せっかく良い食事をとっても、悪化させてしまう食べ物をたくさん口にしていては、なかなか改善することはできません。というわけで、ぜひこの機会に汗によくない食べ物も知っておいてください。
顔の多汗症の原因が、自律神経の乱れとすると、それはつまり”交感神経が過剰に働いてしまう状態”ということになります。この状態は、先にも述べたように緊張やストレスが主な原因ですが、食事によってももたらされてしまうことも知っておきましょう。これを防ぐ必要があるわけです。
特に気をつけたい食事は、以下の3点です。
・白砂糖
・小麦粉
いかがでしょうか。思いあたるものはありましたか?
僕はほとんど当てはまります(汗)
まずコーヒーの問題、こちらは何がマズイかは、おそらく想像がつくんじゃないでしょうか。そうです、カフェインです。このカフェインが、交感神経のスイッチオンにしてしまうというわけです。
僕はコーヒー大好きなので、これは正直守れてません、ごめんなさい。なので、自分ルールで、「豆を引いてすぐのコーヒーは酸化が少ないため、インスタントよりはマシ!」ということにして、美味しく飲んじゃってます。ただ、1日2杯は飲んでいますが、別の対策効果で改善しているので、コーヒー好きな人はあえて我慢しなくても良いんじゃないかと思いますよ。あ、一応、夕方以降は飲まないように心がけています。
さて、コーヒーよりも実害があるのが白砂糖です。
白砂糖は、精製されているために血中に取り込まれるのがとても速く、血糖値を急激に上昇させてしまいます。そのため、インスリンが大量に分泌されて、低血糖を引き起こしやすくなるのです。
突然ですが、イギリスのジョン・ワトキンス博士は、
「この世から白砂糖をなくしたら精神病はすべてなくなる」
と断言しているほどです。身体だけでなく精神にも害が大きいということがよくわかります。
また、WHO(世界保健機関)も、
「成人の1日あたりの砂糖摂取量は25g程度までが望ましい」
とガイドラインを公表しています。ちなみに、炭酸飲料1缶(350ml)には、砂糖が約40g程度含まれているそうです。ジュースを飲んだ時点で、WHOの定める摂取量を軽く超えてしまうんですね…。
白砂糖は、加工された食品で栄養価もなく害ばかりというのが実態ですが、あまり日本で知られていないのは、経済的な大人の事情(砂糖業界の圧力)があるようです(汗)
また小麦粉も白砂糖と同じく精製された食品の為、吸収が早く血糖値の上昇が急激です。この血糖値の乱高下が、自律神経の乱れの原因となるわけですから、多汗症でなくとも控えておくことに越したことはなさそうです。
それにしても、現代人にありがちな朝食「パンとコーヒー」は、自律神経の乱れを生む食事の代表格と言えますね。結構な衝撃なお話ですよね。
首回りを冷やす
首のまわりは大きな血管が通っているため、ここを冷やすだけでも体感温度はグッと下がります。おすすめは、制汗剤シートでおでこや顔を拭いたあと、小さく綺麗に畳んで首の後ろに隠すように入れておく方法です。注意する点は、ポロっと背中に落ちてしまうことと、着ている服によっては、首の後ろにセットしづらいことです。
でもこの方法は、顔もしっかり拭けて、なおかつ体感温度も下げられる一石二鳥で手間もかからないので、ぜひ試してみてください。特にYシャツだと襟もあって、まず気づかれないですよ。
なお制汗剤シートよりも冷えを感じたい人には、冷えピタがおすすめです。その効果はなかなかです。ただし、肌の弱い方には、ヒリヒリするだけで意味がなかった、なんてことも考えられるので、注意が必要です。
他にも首を冷やすグッズは色々と出てるのですが、
どうでしょう?どうもダサくないですか?(笑)スポーツやアウトドアなんかでは活躍しそうですが、日常使いはやっぱり制汗剤シートを首に当てる方がお手軽ですし、コスパも良さそうです。
熱中症対策にもなるので、夏場は特に一枚持っているだけで何かと重宝しますよ。
胸を締め付ける(=半側発汗)
この方法は、半側発汗(はんそくはっかん)とも呼ばれる方法で、古くから舞妓さんにも知られている方法です。
具体的には、帯やさらしなどを胸の高い位置で結ぶことで顔からの発汗を抑制する方法です。実は、これ僕はまだ試していません。なんとなく、舞妓さんや女優さんは、おしろいなど皮膚に塗るもので制御しているような気がして、あまりさらしの効果を期待できずにいたというのが一つ。もう一つは、そもそもさらしを巻いてその上に服を着ることが現実的でないことです。
ツボを押す
これも胸を締め付けるのと同じ半側発汗の原理に基づいた方法です。左右の胸や手のツボを押さえることで、胸から上の発汗を一時的に抑えることが出来ます。このツボ押しは、なんといってもお金がかからずに、すぐに自分で試せることがポイントです。
さて、それでは汗を止めるのに効果的なツボをご紹介します。
乳首から3~5㎝ほど上のところに位置します。押すときは、反対側の手の人差し指、中指の腹で優しく、しっかりと押さえてください。
大包(だいほう)
このツボはワキの真下あたりにあります。こちらも人差し指と中指で、ツボを押さえていることが分かる程度にギューっと押さえてください。
小指の横に出来る感情線のシワの延長戦上に飛び出たところです。その位置が後谿というツボです。
陰げき(いんげき)
小指側の手首の付け根から、腕方向に1.5㎝下あたりにあるツボです。ここを反対の親指などでグッと押してみましょう。
ツボ押しは手軽にできるので、いろんな時になんども試してみてください。押すたびに効果が出ることを願ってやみません。
岩盤浴
多汗症の人にとってしたら、一見すると岩盤浴はもっと汗かき体質になってしまいそうなイメージがあるかもしれませんが、ここに矛盾はありません。発汗の仕組みをご理解している人には、当然と思える内容です。
岩盤浴をすることで全身の汗腺、特に休眠している下半身や腕などの汗腺を刺激することができます。これによって、いざという時には全身の汗腺がしっかりと働いてくれるため、結果として顔の汗の量が減るというわけです。実際に効果があったという報告もネットで目にしました。
が、正直にお伝えすると私にはあまり合いませんでした。というのも、岩盤浴は汗腺を刺激するため、今よりもっと汗をかき体質になってしまうのではないかと不安(ちょっとしたことでワキからの汗をかきやすくなったが、顔の汗は減っていない)を感じたことと、頻繁に通える環境でなかったため続けられなかったからです。
不安については、おそらく汗腺の働きが増し、汗自体の量も増えたことで、顔から出る汗の総量に変化がなかったからだと推測しています。でも、続けることで、より下半身やワキの汗腺を鍛えることができれば、改善は見込めるとも感じました。
長く続けられるのであればトライする価値がある方法だと言えます。
顔汗の完全対策、対処法
これまでお伝えした方法は手軽に行える応急処置的なものでしたが、実際に顔汗に悩む人にとっては、おそらく気休め程度にしかならないかもしれません。でも、試したことがない方法を実践し、変化を起こすことが重要です。
行動を起こすから、その先に何かが生まれる。変化は突然ではなく小さな努力の積み重ねから生まれるんです。
野口健(アルピニスト)
という訳で、ここからはより変化が望めるもの、効果が大きいものを紹介してきます。これならやってみよう!と、行動するきっかけになれば幸いです。
原発性頭部顔面多汗症における診療アルゴリズム
まず抑えておきたいのは、原発性局所多汗症診療ガイドライン(2015 年改訂版)の診療アルゴリズムです。
引用元:原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版
*赤枠内を以下で紹介して行きます。
頭部顔面多汗症に対しては、ワキや手に比べて治療の選択肢が少ないため、内服療法も塩化アルミニウムと同じ推奨度B〜C1に設定されています。
制汗剤と内服療法
まずは制汗剤から行きましょう。制汗剤は汗に関して、もっとも物理的なアプローチをとる方法です。しかしながら、汗腺の構造は複雑なため、まだその理解には至っていないのが実情です。そのため、これまで先人が歩んできた効果を元に、自分が合うものを探していく、というのが現在の正しい方法です。肌の強い弱いも個人差があるため、なかなか自分に合う制汗剤を探す道のりは困難かもしれませんが、気長に進んで行きましょう。
塩化アルミニウム水溶液(塩アル液)
さて、塩化アルミニウム水溶液とは、文字通り塩化アルミニウムを水で薄めた液体です。その濃度が20%前後が効果が見込める数値ということが分かっています。
私も多汗症になりたての頃は、まだ対応策が少なかった(ネットにも情報がなかった)時代だったため、手術や医者以外で自分で取れる対策といえば、塩化アルミニウム水溶液の塗布ぐらいしかなかった、というのが実態でした。
実際に効果はありましたが、濃度調整に手間がかかることやおでこのヒリヒリも気になったこと、これに代わる対策(以下)が色々と出てきたことで、現在は行なっていません。
そうなんですよね、いまは昔と違って自分で作らなくとも塩化アルミニウム水溶液に代わる製品が市販されています。それらを積極的に活用する方が手間もかからずオススメです。
どうしても塩化アルミニウム水溶液を作るところから始めたい!、というこだわり派の方には、一応そのメリットと作成方法をお伝えしておきます。
メリットはズバリ2点です。
- 市販薬より安い
- 濃度を自分で調整できる
これです。要するにコスパが良いということです。
では、塩化アルミニウムを入手するには?
塩化アルミニウムは医薬品のため、薬局や医師から処方してもらう必要があります。が、処方してくれるかどうかは、薬局や医師の判断となるため、行かれる前にの確認が無駄足にならなくて良さそうです。
もう一つは、ネットで購入する方法があります。取り扱いされている新城薬局さんで注文することができます。100ml入り1200円(税抜)です。
新城薬局 塩化アルミニウム・塩化ベンザルコニウム液(薬局製造販売医薬品)
これに精製水を使用して、薄めて利用します。精製水は薬局で手に入れられます。現物を見たことない方は、
を確認してみてください。薬局購入も安いのでオススメです。
あとは、濃度は20%以下で作り、制汗剤と同様に多汗症の部位に塗布して使用してください。
オドレミン
日本国内の制汗剤では、知名度一番高いんじゃないでしょうか。
塩化アルミニウムを13%含んでいます。基本的には、ワキ汗を対象としているため、ここでは多汗症制汗剤のベストセラーなので一応抑えて置きました。
あえて顔汗の方が使う必要はない、というが私の感想です。
パースピレックス(ローションタイプ)
顔汗の制汗剤といえばこれ、パースピレックスです。現在も愛用しています。顔汗の制汗剤で悩んだらまずはこれから試してもらいたいです。ちょっと長ったらしい製品名ですが、その効果は実証済みです。即効性もあるのですぐに実感できるはずです。
パースピレックスに関する効果や副作用などは、当ブログでも多く取り上げてますので、ぜひ関連記事を読んでみてください。
パースピレックスの購入先はいくつかありますが、オススメは個人輸入代行のオオサカ堂さんです。僕は内服薬もここから購入してますので、かなりお世話になっています。値段も他よりも安く、口コミも充実して信頼感もありますので、購入先に迷ったらオオサカ堂さんで間違いはありません。
→ オオサカ堂 パースピレックス・ローション(Perspirex Lotion)
注文から約1週間かかるのでその点だけ注意してください。
https://takansyo-overcome.com/2017/05/12/post-452
顔用制汗剤 サラフェプラス
最近、パースピレックスの2番手として利用している制汗剤です。実際問題、パースピレックス・ローションタイプだけで十分に顔汗対策はできるのですが、効き目がありすぎることと医薬品をずっと使用する抵抗感、肌への影響が気になっていました。
そこで毎日使っても問題なく、かつ効果を感じられる制汗剤を探していました。そこで、たどり着いたのが、このサラフェプラスです。
僕が購入に踏み切った理由は以下の3点です。
・顔汗をメインに作られた他にはない制汗剤だったこと(ターゲットされました)
・旧製品のサラフェからアップデートされていること(愛用者が多いと判断)
・定期購入品だけど、1回から解約OKだったこと(とりあえずのお試しが可能だった)
返金保証がウリのようですが、この手の対応は大概面倒くさそうなので、ハナからそこはアテにはしていませんでした。結果は満足です。当初の狙い通り、パースピレックスの代わりの制汗剤として日々活躍しています。
注文翌日発送なので届くまで約4日ぐらい見ておくと良いです。パースピレックスよりも早いです。
女性向けに押し出されているので、男の僕が注文するのはちょっと抵抗感がありました(汗)が、口コミに男性のコメントもあったので思い切って購入しました。僕のように日常的にライトに活用する制汗剤をお探しの人にとっては最適な製品です。
→ サラフェプラス
追記:サラフェプラスのレビュー記事を追加しました(2018/7/8)
https://takansyo-overcome.com/2017/08/05/post-852
https://takansyo-overcome.com/2017/08/07/post-868
プロバンサイン
ここらは、多汗を抑える飲み薬を紹介していきます。いずれも僕自身が試したものなので、効果については実証済みですが、用法をしっかりとご確認のうえ服用ください。
トップバッターは、プロバンサインというお薬です。夜尿や多汗を抑制する医薬品です。
抗コリン作用により消化管の収縮運動を抑え、自律神経節遮断作用により、筋緊張を緩め、夜尿や多汗を改善してくれます、と説明が多汗を抑える作用から、体臭の予防にも役立てることができます。
効果や副作用、詳しい入手方法については、こちらの記事に書いていますので、ぜひ参考にしてください。
プロスパス
プロバンサインと同じ有効成分をもつジェネリック薬でプロスパスというものがあります。ジェネリック薬品なので、コスパ面でも購入しやすいため最近注目を集めている製品です。
オオサカ堂さんでプロバンサインが購入できなかった時期は、代替品としてプロスパスを選択された方も多くいたようです。口コミも高い評価なので、安心のジェネリック品といえます。プロバンサインはちょっと高いけど、内服薬は試してみたい方にはオススメのお薬です。
パブロンSゴールド
多汗症に効くの?って思いますよね。発想としては、体の水分(鼻水)を止めることができるのなら、汗もとめてくれるんじゃないか、ということで使用しました。
実際、汗が止まるんですよ。
プロバンサインを購入するまでは、このパブロンSはかなり活躍しました。薬局に駆け込めば必ず置いてあるので、どこにいても手に入れられる安心感は心強いものです。
なおプロバンサイン同様にこちらも副作用として口の渇きがあります。私自身も度々感じました。口内炎ができている時は、極力避けたいのですが、そうも言ってられないことがしばしばでした。
とはいえ、このお薬は本来の用途とは異なりますし、効果にも個人差があると思いますので、服用に関しては、興味のある方のみお試しください。
多汗症に効く精神安定剤 デパス、エチラーム
さてさてプロバンサインやプロスパスが直接、汗の働きを抑制するのに対して、精神安定剤は、心に作用して発汗を止めるというものです。
多汗症の精神安定剤として代表的なものはデパスというお薬です。ジェネリック品は、エチラーム(左写真)というものがあります。僕はこのエチラームを使用していました。過去形なのは、規制の関係で個人輸入代行による薬の入手ができなくなり、服用をやめたからです。
つまるところは精神安定剤なので、薬の耐性がついて依存してしまうことは避けたかったため、使用回数は極力抑えるように注意していました。ですが、効果はかなりあったため、使用を抑えるのを苦労しました。特にセミナーやプレゼン前には、なくてはならないお薬でした。
その意味では、プロバンサインよりもエチラームの方が発汗の前に、心を落ち着かせてくれるため、より信頼していたかもしれません。副作用として、僕は服用後に急激な眠気に襲われることでした。あとは顔のほてりも感じたことがあります。
詳しい使用感などについてはこちらの記事をご覧ください
https://takansyo-overcome.com/2016/03/19/post-24/
漢方薬 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
これ、何度聞いても覚えられませんでした(爆)なんか、るろうに剣心なんかの必殺技のようにも聞こえます。「さいこかりゅうこつぼれいとーーっ!!なんて。
冗談はさておき、この漢方はまさに多汗症に効くというものです。
「柴胡加竜骨牡蛎湯」は、漢方の原典である『傷寒論』に記載されている漢方薬で、精神的に不安定で、動悸や不眠等を伴う「高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)」、「神経症」等に用いられています。
画像をクリックするとAmazonの商品ページにアクセスできますツムラ漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒 添付文書より
僕は3ヶ月ほど毎日漢方を飲んでいた時期がありますが、残念ながら3ヶ月間では目立った効果はありませんでした。漢方の効果を期待するには、もっと長期的なスパンでみる必要があると思うので、あまり参考にしないでください。
さてここではどうやって漢方のお薬を手に入れたかをお伝えします。
答えはいたってシンプルです。お医者さんに行って処方してもらった、です。実際に通った漢方専門の診療所がこちらです。もし漢方にチャレンジしてみたい方は、一度診療されると安心できると思います。
ちなみにここを選んだ理由は、
・日本で初の保険適用の漢方専門診療所
・30年以上の経験があり安心できる
・場所が渋谷で通いやすかった
だからです。もう4,5年前のことなのですが、通った時は多汗症に関する患者さんはあまり多くない感じのリアクションでした。なお処方される漢方の量は、想像以上に多く、冷蔵で保管するため結構な冷蔵庫のスペースを取ることをお伝えしておきます。
顔面多汗症(顔汗)を病院で治療する
こちらについては、僕は経験がないので体験談は語れませんが、診療アルゴリズムの次のステップとなる多汗症対策のため記載していきます。
ボトックス注射(ボツリヌス毒素局注療法)
一般的には「ボトックス」という名前で知られている治療法です。正式には、「ボツリヌス毒素局注療法」と言います。
身体に300万個あるというエクリン汗腺は、交感神経支配を受けており、その神経伝達物質のことをアセチルコリンと言います。このアセチルコリンの放出を止める事ために、ボトックス注射で「ボツリヌス菌」を注射することで、エクリン汗腺から汗を出す機能を抑える働きがあります。
プロバンサイン(Pro-Banthine)15mg
ちょうどこちらの記事でボトックス注射がオススメされてましたので、引用させてもらうことにします。(季節的なものもあるかもしれませんが、最近は汗に関するニュースが多くなってきましたね。)
多汗症、コレに当てはまれば可能性大–原因と治療法を医師が解説
多汗症の具体的な治療法として一般的に知られているのは、ボトックス注射。ボトックス注射といえば、しわ治療として知られているが、A型ボツリヌス毒素製剤は神経終末におけるアセチルコリンの放出を防ぎ、神経から汗腺への情報伝達を遮断することで発汗を抑制してくれる。
わきの場合は1~2cm間隔で20~25カ所、手のひらの場合は25~30カ所に注射する。個人差はあるが、注射をしてから数日後に効果が現れ、汗の量はかなり軽減されるという。
この記事には、顔汗に関する記載はないですが、頭部顔面に対しても治療を受けることができます。ただし、頭部顔面は欧米でも保険適用にはなっておらず、その理由としては、施術の際の疼痛コントロール法、重症度に応じた投与単位数に決まった見解がまだ十分統一されていないことが挙げられています。
なお「ボトックス注射」は根本治療ではなく、効果は数ヶ月くらいの期間限定となります。また継続するためにの治療費は自費となり、費用も結構かかると言われていますので、十分な検討が必要です。
胸腔鏡下交感神経節遮断術(ETS)
胸腔鏡下交感神経節遮断術(以下ETS)とは、手術名にある通り「交感神経」を遮断してしまう手術のことです。この治療法は、現在のところ多汗症治療における最終的な治療法となっています。
汗が発生する原因には、交感神経の働きがあります。ETSでは、その原因を元から断つというわけです。実際には、発汗作用に関する交感神経だけを少し切除します。手術時間も数分程度で終わります。さらにETSをされた顔汗の方の98%が汗が止まると実感されており、効果のある手術方法だと言えます。
ちょっと諺っぽく言ってみましたが、このETSもほぼ例外なく副作用があるようです。それは「代償性発汗」と呼ばれ、本来は顔から出る汗だったものが、出口がないためワキや手などから汗が出てくるという現象です。
頭部顔面のETS治療も例外はなく、この副作用である代償性発汗は避けられない(ほぼ100%)となっています。手術を受けるには十分なインフォームドコンセントを行い、選択する必要があります。
神経ブロック
神経ブロックには、たくさんの種類があります。神経やそのそばに注射をし、神経の働きを一時的に、もしくは永久的に休ませることで、病気を治す治療法を言います。一般的に専門の麻酔科医が行います。
頭部顔面多汗症の治療方法として、診断ガイドラインの欄外にも記載がされている治療法ですが、僕が調べた感想としては、ETSよりも前に行うべき治療法だと感じます。
星状神経節ブロック(せいじょうしんけいせつ-)
神経ブロックの中で、もっとも頻度が高いといわれる治療法です。
痛みの原因となる神経線維の末梢神経や交感神経節に対し、局所麻酔薬を浸透させることで、神経そのものの機能を一時的に麻痺させ、交感神経を抑制し痛みの伝達をブロックする。交感神経節ブロックとも呼ばれる。神経痛だけでなく顔面神経麻痺・突発性難聴・多汗症の治療などにも用いられる
上記は、注射による方法ですが、近年ではレーザー(スーパーライザー)による治療を行なっているペインクリニックもあるようです。注射による星状神経節ブロックよりも、時間と通院の回数はかかってしまいますが、注射の痛みが無い分、ストレスも少なくて済むというメリットがあります。
この神経ブロックは、汗腺の破壊ではなく、発汗をうながす交感神経の乱れを正常に戻すことが目的のため、副作用がありません。またスーパーライザーによる星状神経節への照射は有効率90%と非常に高く、ペインクリニックでも多く施行されている治療法のようです。
2018/7/8 追記:
スーパーライザーを約2ヶ月試してみました。以下の記事も参考にしてください。
https://takansyo-overcome.com/2017/08/07/post-895
https://takansyo-overcome.com/2017/08/24/post-910
今後、顔汗が改善したという症例報告が増えてくれば、代表的な治療法となるかもしれません。それぐらい個人的には期待している治療方法です。
イオントフォレーシス療法
主にワキや手に行われている治療法ですが、テレビなどでも多汗症の治療法として紹介されるケースがあります。療法は、電流を通電することにより生じる水素イオンが汗孔部を障害し狭窄させることにより発汗を抑制する、とされています。(ちょっとよくわかりません:汗)
残念ながら頭部、顔への効果は、その根拠がないとされています。
精神療法(心理療法)
多汗症に対する精神(心理)療法は、単独では効果が期待できませんが、認知療法は制汗剤などの外用療法やプロスパスなどの内服療法と併用することで、その効果をより高める可能性がある、とされています。
認知療法
とは、人が成長するにつれ固定的なスキーマが形成され、それに基づいて歪んだ思考方法や考えが自然に浮かぶ自動思考が起こっており、そうした認知の歪みに焦点を当てて、認知を修正することで症状が改善されるとされる心理療法である
なんか分かったようなわからないような…。イマイチ、ピンときませんよね。
認知療法は、多汗症よりもうつ病など心のケアに広く知られている療法です。この療法については、多汗症以外にも仕事のストレスなどにも効果がありそうなので、僕も現在勉強中です。
興味のある方は、「こころのスキルアップ・トレーニング:マンガでわかる認知療法」が、わかりやすいと思いますので、ご覧になってみてください。
薬だけに頼らない
いよいよ最後の項目ですね。やはり最終目標は、薬に頼らないことです。とはいえ、いきなりは無理なので、ここでは「薬だけに頼らない」方法をご紹介します。緩やかに薬を手放していき、こちらへシフトすることができれば、多汗症を克服したと言えるのではないでしょうか。
瞑想、マインドフルネス
瞑想をはじめてから7,8年は経ったでしょうか。ほぼ毎日行なっていた時期もありましたが、今は毎日は続けられていません。が、瞑想との付き合い方は、もう少し気楽に考えています。
先ほどの認知療法に通じるところがありますが(実際にマインドフルネス認知療法というものがあるようです)、瞑想すれば多汗症が治る、なんてことはないと考えています。ですが、長期的な視点からすれば十分な効果があるとも考えています。
瞑想に関するお話は、いくつか参考になる記事があるので、ぜひご覧になってください
https://takansyo-overcome.com/2016/10/08/post-106
https://takansyo-overcome.com/2016/09/22/post-94
https://takansyo-overcome.com/2016/03/21/post-15
コーチング
最後は最近僕が力を入れているコーチングです。コーチングと多汗症をリンクさせているのは、もしかしたら日本で僕だけかもしれません。と言っても、コーチングは広くいえばコミュニケーション手段ですから、どんなこともリンクさせようと思えばできちゃいますが。
さて、コーチングというのは、コーチとクライアントという意図的な協働関係を持ち、コーチがクライアントのありたい姿や価値観を引き出し、自発的に目標に向かって行動すること、その勇気づけをすることです。
僕が今考えていることは、元多汗症である自分がコーチとなり、クライアントである多汗症の方(あなた)へコーチングを行うことです。例えば、汗のことが原因で、チャレンジできなかったことに再チャレンジできるようになる、そんなサポートが出来ればと考えています。
見習いコーチですが、セッション体験を受けてみたい方は、ぜひこちら(準備中)からお気軽にご連絡ください。
制汗剤と内服療法
– 塩化アルミニウム水溶液(塩アル液) / オドレミン / パースピレックス(ローションタイプ) / 顔用制汗剤 サラフェプラス / プロバンサイン / プロスパス / パブロンSゴールド / 多汗症に効く精神安定剤 デパス、エチラーム / 漢方薬 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
顔面多汗症(顔汗)を病院で治療する
– ボトックス注射(ボツリヌス毒素局注療法) / 胸腔鏡下交感神経節遮断術(ETS) / 神経ブロック / 星状神経節ブロック(せいじょうしんけいせつ-) / イオントフォレーシス療法 / 精神療法(心理療法)