精神的な多汗症対策に知っておくと良い薬を5つご紹介します。
汗に関する薬は大きく以下の2つに分けられます。
- 塗り薬
- 飲み薬
塗るか、飲むかという選択です。当然、両方行うこともアリです。ただし、最初は効果を確かめる必要があるので、同時に行わずに、以下でご紹介する薬をじっくりひとつひとつ検証していくことをおすすめします。
制汗剤
塗り薬とは、いわゆる制汗剤になります。僕も色々と試しました。制汗剤は文字通り、塗って汗を止める薬です。塗り薬については人によって抵抗を感じる方もいると思いますが、市販薬から試してみるのも手ですのでぜひ参考にしてみてください。
1.塩化アルミニウム
汗の塗り薬を利用するなら、必ず必要な成分がこの「塩化アルミニウム」です。市販の制汗剤にも必ず入っています。この塩化アルミニウムは医薬品ではなく、実験用として使われていたものです。そのため、一般の薬局での取り扱いがほとんどありません。僕が使用していた時期は2007-8年頃なので、ネットで購入することができましたが、現在は薬事法改正でネット購入することができなくなったようです。なお、大きな薬局であれば、濃度を薄めた塩化アルミニウム水溶液を販売しているところもあるとのことですので、あたってみてもよいかもしれません。あらかじめ電話で聞いて見るのが間違いがなさそうですね、そのときは「制汗剤としての利用、濃度20%以下のもの」と伝えてみてください。
また多汗症治療を行っている皮膚科などで処方してもらうことも可能なようです。(汗で有名な五味クリニックのHPでも院長が処方すると回答が記載されてました。)
塩化アルミニウムを手にいれることができる場合のメリットは、
- 市販薬より安い
- 濃度を自分で調整できる
ことです。制汗剤は、ある程度使い続ける必要があるため、コストを抑えることは経済的にも重要なポイントですよね。また濃度調整は、人によっては手間と感じるかもしれませんが、効き具合に応じてアレンジできるので、市販薬の制汗剤で効果がでない方はこちらを試してみる価値があります。
塩化アルミニウムを制汗剤として利用する場合
塩化アルミニウムを精製水を使用して、薄めて利用します。精製水は薬局で普通に売られています。Amazonに商品があったので、見たことない方は確認してみてください。(購入は薬局をオススメします。)
濃度は20%以下で作りますが、制汗剤で有名なオドレミンの塩化アルミニウム濃度が13%なので、13〜20%で試してみるのがよいでしょう。
塩化アルミニウム水溶液の使い方
- 就寝前に幹部へ2,3回塗布する
- よく乾かす
- 効くことを祈る
効果は2,3日保つため、初回は効果が出なくなる期間を把握して、次回以降は切れる前に塗布すると継続的に効果を発揮することができます。
ちなみに私は頭部多汗症のため、塩化アルミニウム水溶液を顔、額に塗布していました。効果は確実にありましたが、試した時期が夏場だったことと、またかゆみやヒリヒリする感じが続いたため、使用を中断してしまいました。副作用の危険はないということですが、濃度調整も気をつかうため、最期まで使い切れずに市販の制汗剤を利用することにしました。
2.オドレミン
日本国内の制汗剤でもっとも知名度の高いのがこのオドレミンです。塩化アルミニウムを13%も含んでいるため、効果はかなり期待できます。汗の幹部は、ワキを対象としていますが、顔にも問題はないです。楽天のレビューにも滝汗がなくなったという人もいますので、まだ塗布による汗対策を試したことがない方は、ぜひ試してみてください。
なお、塩化アルミニウム水溶液と同様、皮膚の弱い方はパッチテストをしてからが良いです。ちなみにこのオドレミンも僕には有効でした。が、やはりヒリヒリが続いたので継続的ではなく、スポット的に利用していました。
飲み薬
こちらも色々と試しました。制汗剤は苦手という方、効果がでなかったかたは、ぜひ飲み薬もチャレンジしてみてください。なお、僕がおすすめしていたエチラームは、ネット購入ができなくなりましたので、それ以外の飲み薬をご紹介します。
3.プロバンサイン
プロサイン抗コリン薬で唯一の存在として認可されているのが、薬局にはないプロバンサインです。入手方法は、病院で診察のうえで処方してもらうのが最も妥当な方法となります。が、必ずしも多汗症で処方してもらえない場合もあるようです。その場合は、個人輸入のネット通販サイトのオオサカ堂さんから入手する方法がオススメです。
僕はネットで薬が買えることで、制汗剤から飲み薬にシフトすることにしました。制汗剤は、たしかに汗は止まるのですが、額がヒリヒリすることでより直接的に意識が額にいってしまい、結果的に手強いトラブルが生じると制汗剤の能力を超えて、発汗に至るケースもしばしば経験していました。なので、汗への意識を忘れさせてくれる飲み薬を手にいれたのは、本当に助かりました。
プロバンサインは、副作用として口の渇きがよく知られています。実際に僕も口の渇きはかなり感じていました。とはいえ、効き目はたしかなのでいつでも服用できるように、ケースにいれて今もカバンに潜ませています。飲めば平気、というある意味プラシーボ効果も狙いつつ、服用する錠剤の量をピルカッターでカットして0.5錠だけ飲むなどして工夫しました。
4.プロスパス
プロスパスはプロバンサインのジェネリック薬品です。そのため、価格面でもメリットが大きいです。プロバンサインは5,697円 〜とやや高めですが、3,330円〜から購入することができます。
プロバンサインと同じ有効成分のためかなり人気の商品で、口コミをみると多汗症の方のリピーターも非常に多いようです。こちらに関しては、僕はまだ試したことがありませんが、ジェネリック薬品と販売店に関しては経験上からオススメできますので、これまで内服薬は敬遠していた方もコストが掛からないジェネリックから試してみるのも良いですね。
5.パブロンSゴールド
最後にご紹介するのが、パブロンSゴールドです。
ご存知のとおり、こちらは多汗症の薬ではなく鼻炎薬です。ただ、体の水分(鼻水)を止めることができるので、汗もとまるんじゃないか、という発想です。実際、私はプロバンサインを購入するまでは、パブロンSで大事な場面を凌いでいました。そうなんです、これも汗が止まるんです。これは個人差が大きいですし、あまりオススメはしません。またプロバンサイン同様、こちらも副作用として口の渇きも実体験としてありました。しかし、どの薬局でも取り扱いがあること、服用するにあたり心理的ハードルが低いことが大きなメリットになります。
いかがでしたでしょうか。ここに紹介した5つのお薬は、精神性多汗症でお悩みの方には少なからずお役に立てるラインナップです。まずは「汗をコントロールできる自信」を手に入れるために試してみてください。
さいごに 多汗症に効くおすすめの薬は?
これはあくまで個人な経験からですが、やはりおすすめはプロバンサイン(Pro-Banthine)15mgです。すこし入手しづらいのと価格が少々高いことがネックではありますが、汗に対して有効な手立てがない方には、ひとつの選択肢としておすすめしたいです。
また、もしコストが気になるようでしたら、ジェネリックのプロスパス (Prospas) 15mgからぜひ検証してみてください。
2017/7/22 追記:
プロバンサインの販売が再開されています。
プロバンサイン(Pro-Banthine)15mg